理想的な身体づくりに欠かせないアミノ酸の秘密を徹底分析! |
スポーツとアミノ酸サプリメント
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体内では常にアミノ酸がたんぱく質を合成して筋肉や心臓・腎臓など体内組織をつくるなど重要なはたらきをしています。
近年アミノ酸がスポーツサプリメントとして注目されるようになったのは、
筋力の向上・持久力の向上・免疫力の向上・集中力の維持・疲労回復などアスリートがもっとも期待する局面で
アミノ酸の生理機能のはたらきが解明されてきたからです。
現在、アミノ酸はプロのスポーツサプリメントの主役と考えられています。
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グルタミン
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グルタミンは筋肉中のアミノ酸の約60%を占めている大切なアミノ酸です。
筋肉のたんぱく質合成の促進、胃や腸などの消化気啓の機能維持や構造を保つための主要なエネルギー源になること、
病気や傷などの治療促進など・・・生体で合成されるグルタミンはこれらの大切な役割を果たしています。
しかし、必須アミノ酸で、生体で必要量を合成できる為、最近まであまり重要視されていませんでした。
ところが、1980年代になり、グルタミンは「ある条件下では必要なアミノ酸」と呼ばれるようになりました。
「ある条件下」とは、病気や怪我などで身体にストレスがかかる状態のことで、この状態の時にグルタミンが
修復や治癒の為に血液中や損傷部に送りこまれます。
このようなストレス状態になると体内でのグルタミンの合成が必要量に追いつかず、結果として筋肉から喪失することとなります。
(入院中に筋肉が痩せ細ってくることをイメージするとわかりやすいでしょう)
「病気や怪我もなくてトレーニングも順調、ストレスもかからない。」と多くのひとは思うでしょう。
しかしウエイトトレーニングやエクササイズなどで筋肉を使うことも大きなストレスとなります。
このように身体にストレスがかかる場合、グルタミンをサプリメントで補う必要があります。
●ワンポイント(その1)●
激しい運動(エクササイズ)やウエイトトレーニングなどでは、特にこのグルタミンが多く消失され、
その結果風邪などの感染症にかかりやすくなります。
この点に着目した英国・オックスフォード大学の研究グループがマラソンランナーにグルタミンを摂取させたところ、
身体の免疫機能が正常化、感染率が大幅に低下したという驚くべき効果を報告しています。
●ワンポイント(その2)●
グルタミンは肉や魚、卵に豊富に含まれていますが、調理などで熱を加えたり、
酢などの酸の強いものを加えると変性してしまいます。
市販の栄養補助食品も製造過程で熱を加えるためグルタミンはほとんど含まれていません。
食事でグルタミンを摂取しようとすると、お刺身のように生のまま摂取する必要があります。
また、食事などで摂取できるグルタミンは、その食事で摂取できるたんぱく質質量のたった約4~5%です。
サプリメントのラベルなどに記載されている成分分析値のグルタミン酸(Glu)は、グルタミン(Gln)とは異なりますが、
これは分析の過程でグルタミンがグルタミン酸に変質してしまうからです。
プロテインパウダーなどのサプリメントに配合されているグルタミンペプチドのグルタミン含有量は30%です。
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BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)
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9種類の必須アミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンはその分子構造の特性から
「分岐鎖アミノ酸」(Branched Chain Amino Acids)と総称され、その頭文字をとって通常「BCAA」と呼んでいます。
BCAAは食物たんぱく質に含まれる必須アミノ酸の約50%、金たんぱく質に含まれる必須アミノ酸の約35%を占め、
筋肉を構成している筋組織細胞の主成分です。
BCAAを補給すると、筋繊維細胞の素材となって筋肉づくりに役立ちます。
BCAAのひとつであるロイシンは、筋たんぱく質の分解の制御と合成促進の両面のはたらきがあるので、
筋力アップには特に大切です。
ほとんどのアミノ酸が肝臓で代謝されるのに対し、BCAAはその大半が筋肉に運ばれ代謝されます。
これは筋肉のエネルギー代謝に深く関わっているからです。
激しいトレーニングを行うと筋肉中のたんぱく質が分解されBCAAがエネルギー源として利用されます。
そこでBCAAを補給すれば、筋力の損失をすばやく回復し、筋肉痛や筋疲労の防止に役立ちます。
さらにBCAAには、血中乳酸値を抑える機能があり、筋肉疲労を防ぐ効果があるといわれていますが、
同時に主観的疲労感、つまり気力や集中力の低下も防止すると考えられています。
●ワンポイント●
「集中力がなくなってきた」、「やる気がなくなってきた」長時間のトレーニングやエクササイズを行っていると
必ず経験するこのような中枢性疲労は、その原因物質であるセロトニンの発生が原因といわれています。
負荷の大きい運動を続けていると、血液中のBCAA濃度が低下し、トリプトファン濃度が上昇します。
その結果、通常アルブミンと結合しているトリプトファンが脳内でアルブミンと遊離してセロトニンを発生、
これが気力の喪失につながるとされています。
このようにBCAA/トリプトファンの濃度の比率が「集中力」「やる気」を左右します。
BCAAを摂取しておくと、トレーニング中のセロトニンの上昇を抑えるという報告が注目されています。
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アルギニン
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筋力を増強するためにも、損傷した筋肉を修繕するためにも成長ホルモンは不可欠です。
アルギニンはこの成長ホルモンの分泌を促す大切なアミノ酸です。
アルギニンを摂取することによって、筋たんぱく質の合成が促進されます。
またアルギニンには、血管拡張効果や免疫増強作用もあり、BCAA、グルタミンとともに
アミノ酸サプリメントの主役と考えられています。 |